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?A林床の群落属性
5つの群落タイプ間で、群落高、胸高断面積合計、個体数密度、種数、Brillouinの多様性指数(H)、実生個体数密度、平均出現実生種数の7つのパラメーターについて成熟林での平均値を用いて比較した結果を図2−8に示す。群落高はエノキ−ジャノヒゲ型とクヌギ−ジャノヒゲ型の間で有意な差異(p=0.03)が見られた。胸高断面積合計はエノキ−ジャノヒゲ型でやや高く4000c?u/100?uを超えていたが、各群落タイプ間で有意な差はみられなかった。個体数密度はハンノキタイプの3型に比べ、エノキ−ジャノヒゲ型、クヌギ−ジャノヒゲ型の値が明らかに大きいこと、ハンノキタイプ内では3型の差はそれ程ないことがわかる。ハンノキ−ヨシ型とエノキ−ジャノヒゲ型(p=0,039)、ハンノキ−カナムグラ型とエノキ−ジャノヒゲ型(p=0.033)の間で有意差が認められた。木本層の出現種数はクヌギ−ジャノヒゲ型で11.6種、ハンノキイ−クサヨシ型で10種、エノキ−ジャノヒゲ型で8.5種、ハンノキ−カナムグラ型で4.8種、ハンノキ−ヨシ型で3.5種の順で、ハンノキ−ヨシ型とクヌギ−ジャノヒゲ型(p=0.008)、ハンノキ−カナムグラ型とクヌギ−ジャノヒゲ型(p=0.004)の間では有意な差が見られた。多様性指数(H)も個体数密度と同じような傾向で、ハンノキタイプの3型に比べ、エノキ−ジャノヒゲ型とクヌギ−ジャノヒゲ型が大きい値をとっていた。ハンノキ−ヨシ型とエノキ−ジャノヒゲ型(p=0.047)、ハンノキ−カナムグラ型とエノキ−ジャノヒゲ型(p=0.011)、ハンノキ−カナムグラ型とクヌギージャノヒゲ型(p=0.011)の間で有意なさが見られた。出現実生種数ではクヌギ−ジャノヒゲ型が一番多く8.2種、ハンノキ−クサヨシ型が6.5種、エノキ−ジャノヒゲ型が6種、ハンノキ−カナムグラ型が3種、ハンノキ−ヨシ型が2.5種であり、ハンノキ−ヨシ型とクヌギ−ジャノヒゲ型(p=0.041)、ハンノキ−カナムグラ型とクヌギ−ジャノヒゲ型(p=0.018)の間で有意な差が見られた。実生個体数密度ではエノキ−ジャノヒゲ型が35個体/100?u、クヌギ−ジャノヒゲ型が26.4個体/100?u、ハンノキ−クサヨシ型が18.2個体/100?u、ハンノキ−カナムグラ型が2.5個体/100?u、ハンノキ−ヨシ型が0.9個体/100?uの順で並び、ハンノキ−カナムグラ型、ハンノキ−ヨシ型が他の3型に比較して低い数値となっているが、有意な差は見られなかった。

 

 

 

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